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{ストラヴァル&ストレガの誕生だぜ} アンジェラスの視点 「…ムニャムニャ…ンゥ~?」 クレイドルで寝ていた私は目が覚めて、いつもの天井が見える。 部屋は薄暗く目を細めながら時計を見ると小さい針は三時をさしていた。 なんでこんな中途半端な時間に起きてしまったのか分からないけど、何故か起きてしまった。 ふとベットの方を見るとご主人様が寝ていなかった。 正確に言うと居なかった、というのが正しい。 ご主人様、何処に行ったのでしょうか? 私は起き上がり、窓の下を覗き込んでみる。 うん、ご主人様の愛車はあるっと。 外に出ている、というわけではなさそう。 家の中の何処かにいるはずです。 私は机から飛び降り、武装神姫用のドアを開けて一階に行った。 台所・お風呂・トイレ・リビングにも、ご主人様は居なかった。 やっぱり外に行ったのかぁ~? 玄関に行ってみてご主人様の靴があるか捜してみる。 「…靴はありますね。じゃあいったい何処に、あ!」 まだ行っていない場所がありました。 地下の部屋です。 そうと決まれば善は急げです! 私は走って地下に向かった。 …。 ……。 ………。 天薙の視点 「ヨッシャー!遂に完成したぞ!!試作型だけど…」 俺は小躍りしながら喜んでいた。 このアイテム開発に二月間は掛かったからなぁ。 眠気を振り払い作り上げたかいがあったというものだ。 「さて、と。作り終わった事だし、寝るとするか」 欠伸をしながら背筋を伸ばす。 景気に煙草に火をつけ一服する。 と、その時だ。 「あー!やっぱりここに居たー!!」 「なっ!?アンジェラス!?!?」 地上に通じる階段を下りて来たのはアンジェラスだった。 なんで起きてるんだ? オカシイなぁ、ちゃんと俺が確認した時は寝ていたのに。 まぁいいか。 「あっ!そうだ、丁度いい。お前、新しいアイテムを使ってみる気はあるか?」 「新しいアイテム?」 「そう。主にアンダーグラウンドで使うモノだな」 そう言いながら俺はアンジェラスを右手の平に乗らせる。 「そしてこいつ等がそのアイテムだ」 作業用の机に置かれている試作型戦闘機が二機。 一つは戦闘機らしい格好した軽装備の戦闘機。 もう一つの片方は武装神姫の部品で作られた重装備の戦闘機。 「アイテム補充偵察戦闘機、ストラヴァル。敵殲滅戦闘機、ストレガ。どっちも出来たばかりだが、それなりに使えるはずだ」 アンジェラスを作業用の机に下ろす。 するとアンジェラスはマジマジと二機の戦闘機を見る。 どの戦闘機も武装神姫より少し大きい。 歩きながら戦闘機にペタペタと触るアンジェラス。 「ねぇ、ご主人様。この大きさじゃ、座る場所がないじゃないですか」 「あぁん?誰が操縦席を作った、て言ったんだ?そんなモノはいらんねぇ~んだよ」 「じゃあどうやって操縦するのですか?」 「ここさ」 俺は左手の人差し指で自分の前頭葉を示した。 アンジェラスはこの意味が解らないのか、首を傾げて悩む。 しょうがない、説明してやるか。 「よーわだなぁ。戦闘機が搭乗してる神姫の脳波を感知し、その神姫が何処に行きたいかで戦闘機が動く。勿論、その神姫が戦闘機を自由自在に動かせる事もできる。脳波というより、電気信号を感知する感じだ」 「へぇ~、凄いですね。ご主人様って頭いいんですね」 「ん?それはちょっと違うかなぁ。ストラヴァルは姉貴の会社からデータをパクリ、改造したもので。ストレガに関してはストラヴァルとグラディウスをベースにし、武装神姫の部品で作ったものだ」 「…大丈夫ですか?会社の方から怒られちゃいますよ??」 「大丈夫。俺が作ったコンピュータウイルスは自分でも自負できるぐらいの出来さぁ。98%はバレねぇよ。それよりさぁ、まずはストラヴァルを試してみてよ。データも取りたいし」 「分かりました、ご主人様」 アンジェラスはストラヴァルの腹の部分の中に入る。 あ、ちょっと不服そうな顔をした。 「あの…ご主人様」 「なんだい?」 「あんまり居心地が…良くないのですけど」 まぁ、しょうがないだろうな。 下半身だけ固定して上半身だけはハダカの状態だからなぁ。 「ど~感じが悪い?」 「お腹を圧迫して痛いです。腰にも負担があって痛いです。常に顔を上げていないと前方が見えないので首が痛いです。それから」 「ストップ!…さっきから『痛い痛い』って、少しは我慢してくれよ~」 「だって、痛いだもん」 「だもんって…はぁ~、こりゃあストラヴァルは改善し直しかー。所詮、補充偵察戦闘機だからなぁ」 「もう出ていいですか?すでに首が痛いです」 「あぁ。すぐに降りていいぞ」 アンジェラスはストラヴァルを降りて右手で首を摩る。 そんなに痛かったのか? こんな調子だとストレガも駄目おしされそうだぜ。 でもストレガはリアパーツに似ているから多少は違うと思う。 …ストラヴァルより、かなり重いけど。 「それじゃあ今度はストレガを装着して」 「装着ですか?」 「こいつはヘビー級のリアパーツだと思ってくれ」 「はい。では装着しますね」 「おう」 「んっしょっと」 『んっしょっと』はないだろ。 女の子としてちょっとどーかと思うぞ。 「ウッ…ちょっと重いですね」 「ストレガは地上用の『足』がついてる。ちょっと操縦してみ」 「はい」 アンジェラスは目を閉じ、ストレガに『足』を出すように命令する。 すると機械音をだしながら二つの『足』が出でてきて、しっかりと地面に固定させる。 「フゥー、これでいくらかマシになりました」 「安定性は大丈夫みたいだな。居心地の方はどうだい?」 「悪くないです。ですが、両方に付いてるミサイルランチャーのトリガーに手を伸ばすのが少し辛いかもしれません」 あぁ~、それはあるかもしれない。 ノーマルのストレガはミサイルランチャーの改善っと。 ふむ、よし次だ。 「アンジェラス。次はEXストレガだ」 「EXですか?」 「あぁ、こいつにはEXというさらに改良した機体になることが出来るんだ」 「じゃあ、一回装着を外しますね」 「いや、そのままでいい。俺がパーツをつけるから」 俺はストレガのEXパーツを次々に取り付ける。 これで格段に重くなったが『足』があるおかげで大丈夫だろう。 そして最後にアンジェラスにホーンスナイパーライフルを二丁渡した。 「どうだ?」 「う~ん、かなり武装が強くなりましたけど。ちょっと不恰好じゃないですか、これでちゃんと飛べるんですか?」 「飛べないと意味がない。安心しろ、ちゃんと飛べる」 「でも、この戦闘機が撃墜された時はどうするんですか?」 「その時も大丈夫。ヤられた時はストレガの全パーツがバラバラに分解され、お前のリアパーツは自動的に装着されるように作ってあるから」 「ホントに大丈夫ですか?それでー」 「だから大丈夫だって」 少しは信用してくれよう。 これもお前等のために作ったんだぜ。 アンダーグラウンドのバトルはただでさせ危険が沢山あるからな。 「サンキュー、かなりデータを取れた。もう外していいぜ」 「はい」 アンジェラスはストレガの装着部分を外し、ホーンスナイパーライフルを置く。 うん、一応完成したものの…まだまだ、改善する必要性はまだありそうだ。 こいつはもう少し時間がいるな。 「あ、そうそう。EXの場合、神姫が装着していな状態だと、こんな感じだ」 白い槍と風除けのパーツをつけた。 これでちょっと戦闘機ぽく見えるだろう。 「でも、この飛び出してる白いやつを抜いてくれないと私の頭が…」 「おっといけねぇー。説明するのを忘れていたぜ、今の状態は独立状態だったんだ」 神姫が装着していな時は体当たり攻撃用の槍が装着されているんだった。 すっかり忘れてたぜ。 独立状態は主に神姫のバックアップ専門をする戦闘機になる。 「今日はこんなもんだ、壱階に行くぞ」 「はい、ご主人様」 俺は右手の手の平にアンジェラスを乗せて地下の部屋を出ようとした。 するとアンジェラスが口を開いてこう言った。 「なんで、あんな物を作ったのですか?」 「俺はお前やアイツ等を危険な目に合わせたくないだけだ」 「危険だなんて。大丈夫ですよ、ご主人様。私達は強いですから」 「…そうだな」 確かにアンジェラス達はノーマルの神姫よりは強いと思う。 でも『上には上がいる』という、ことわざがある。 実際、現実的にそいう奴等はいる。 これからのバトルに何が起きるか解らない。 だから今のうちにバックアップを用意しとかないといけない。 …出来れば、あの二機の戦闘機を使う日がこない事を祈るだけ。 そう思いながら俺は地下の部屋の電気を消して一階に戻った。
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これで……いいわよね……? あたしはもう、十分頑張ったよね……? もう、休んでも……いいよね? “いいわけ……ないよ” ……やっぱり、不満よね。 “助けたい” 無理よ。 間に合わないわ。 “諦めないで下さい!” シリア……? “樹羽なら助けられます! だから、華凛さんも諦めないで下さい!” そっか…… 強く、なったんだね…… でも、今からじゃ間に合わないわ。 “大丈夫。 華凛が私を想う力で世界を創ったなら、私にも、世界が創れるはずだから” 樹羽…… “待ってて、絶対に助けに行くから” ほんの小さな世界でいい。一分、一秒だって構わない。 華凛を助けたい。 だから、世界を。 華凛を助けるための、世界を。 雪が降っていた。積もることの無い世界の終わりを告げる雪は、世界を白く染めていく。 「最後に樹羽と話したくて、周りの人消してさ、やっと時間作って、あと何話せばいいのか、わからないや」 華凛は笑っている。困った様に、それでも笑っている。 これが、私が華凛を救うための世界。 「助けるから」 「……樹羽?」 それは強固な決意。何があっても貫き通す意思の表明。 「私は、華凛を助ける」 華凛は驚いたような素振りを見せたが、すぐに納得したように頷いた。 「……なるほどね、今度はあたしが樹羽の世界に連れてこられた訳か」 「華凛……」 「わかってるわ。あたしだってこんな場所で終わりたくなんかないもの」 華凛は笑うのを止め、不安気にうつ向いた。その姿は、先程よりも小さく、薄く見えてしまう。 「でも、あたしを助けるのって、かなり難しいわよ。もう待ったは使えないわ」 「わかってる」 「それでも、するの?」 「絶対」 華凛は諦めたように両手を上げた。それは降参のポーズだった。 「わかったわ。もう止めない。あたしを助けられるのは、たぶん樹羽だけだしね」 「待っててね、絶対に助けに行くから」 その時、また意識が遠退いてきた。タイムリミットだ。 まだ一杯話したいことはあったが、止めておいた。 だって、これからも会えるんだから。 「待ってるわよ、樹羽。あんたが助けに来るの。その時まで、なんとか生きてみせるから」 その華凛の強い言葉を最後に、私の意識は途切れた。 「あ……」 暗い部屋で、私は一人目が覚めた。一ヶ月はカーテンを閉めきったままの真っ暗な部屋。そこは、私が歩んできた、外と切り離された世界だった。 体を起こす。埃っぽい机の上にある時計の日付には、こう書かれていた。 8月1日(月) 戻ってきたのだ、私は。華凛を助ける世界へ。 「っ……」 ベッドから跳ね起き、鈍りきった体を無理矢理動かす。転がり出るように自室から飛び出して、玄関へ向かった。 「樹羽?」 リビングを横切る時に、呼び止められた。その方向を向くと、お母さんが心配そうにこちらを窺っていた。 「どうしたの? そんなに慌てて……」 そこで思い出す。お母さんはこの世界での一ヶ月間、唯一会っていた人物だ。と言っても、毎日食事をするだけで、言葉を交したことはなかったが。 「友達を助けてくる」 それだけ言って、私はまた走りだした。後ろからお母さんの声が続いたが、悪いが無視した。本当なら、止まっている時間すら惜しい。 私と華凛の家はそう離れていない。歩いて10分ぐらいのところにある。 だが、今は一分一秒が惜しいのだ。 玄関から外に出て、真っ直ぐに華凛の家を目指す。ろくに動かしていない体は悲鳴をあげるが、そんなことを気にしてはいられない。無理矢理足を動かし、走った。 必ず助ける。その一言を心の中でずっと繰り返しながら。 やがて空に黒い煙か立ち上っているのが見えた。初めて見たが間違いない。火事の時に出る煙だ。でなければあんなに大量に出る訳がない。 (華凛……!) 私は走る速度を上げた。心臓は破裂寸前になっているし、肺は空気を求めてせわしなく呼吸を強いる。まさに死にもの狂で走った。 そして、ついに私は辿り着いた。そこは、私が予想していたよりも酷い惨状だった。 家が一軒燃えている。それは間違いなく華凛の家であった。小さな庭にまで、火が飛んでいる。大惨事を絵に描いたような状況だ。なのに、周りには野次馬らしき人影は見えない。ここまで燃えるのに時間がかからなかったからだろう。 問題は、入り口まで炎に包まれ、とてもじゃないが入れるような状態ではない事だ。 まだこの中には華凛がいる。今すぐ助けないと、本当に華凛が死んでしまう。 私は意を決して炎の海に飛込もうとした。しかし、それは叶わなかった。 「バカ野郎っ! 死ぬ気かっ!?」 怒声と共に腕を引かれ、無理矢理振り向かされる。そして、私はその人の顔を見た。 「榊……くん?」 目の前に映っている顔は、紛れもなく東雲榊のそれだった。本来ならば記憶の彼方の再会であるにも関わらず、私にとっては数日ぶりの顔合わせだった。 「お前、何で俺の名前……」 榊くんの突然の登場に驚いたが、すぐに華凛のことが頭を埋めた。 「それより大変なの! 華凛がまだあの中にいるの!」 「秋已が!?」 榊くんは私の後ろの火の海を見た。とてもじゃないが人が生き残っていられるような感じではない。 「シンリー、消防署に連絡は!?」 「もうとっくにしたよ!」 榊くんのバッグからシンリーの声がする。彼女とは戦った仲であるが、それは華凛の世界での話。このシンリーや榊くんは、あくまで別人だ。 「くそっ!」 榊くんは庭にあった放水用のホースを引っ張り、水を火にかけ始めた。しかし、火は一向に消える気配を見せない。 「無駄だよマスター! 初期消火には遅すぎる! 逃げて!!」 「うっせぇっ!!」 榊くんは必死になって水をかけ続けている。初期消火が有効とされているのは火が天井に届くまでとされている。だが既に家は炎に包まれていた。 「やっぱり、中に……」 「ダメだっ! あっと言う間に火ダルマになるぞ!」 榊くんはこちらを見ずに怒鳴る。彼の表情にも、明らかな焦りが見えた。 (落ち着け……冷静に考えるんだ) 自分に言い聞かせ、冷静になる。まずお荷物なのはこの髪だ。お気に入りで手入れを怠りはしなかったが、今この瞬間だけは単なる邪魔ものだった。 何か無いかと部屋着のポケットを探ると、手に何やら硬い感触が当たった。取り出し、カバーを外してみると、それは炎を反射して赤く光っていた。 (そっか……私はもう少しで死のうとしてたんだっけ) ポケットの中に入っていたのは、やたらと鋭そうなナイフだった。 思い出した。私は人生がどうでもよくなってこのナイフで自ら命を絶とうとしていたんだ。今から考えるとぞっとする。 だが、ありがたい。これは使える。名残惜しいが、親友の命と自らの髪を天秤にかければ、どちらに傾くかは明白だった。 自分の髪を後ろでまとめ、ナイフで切ろうとする。しかし、少し切りづらくてちょっとイラッとした。そして、僅かに頭皮が引っ張られる感覚と共に、頭がすごく軽くなった。人の髪がここまで重いとは思わなかった。切ったばかりの髪を地面に放る。あまりの量に自分でも少し引いた。が、今は気にしている場合ではない。 水を火にかけている榊くんの前に立ち、水を全身に浴びる。後ろから怒号が聞こえたが、何を言っているのかは聞こえなかった。構わず私は火の中へ飛込む。目指すは華凛の部屋がある二階だ。 家の中はとてつもなく熱かった。当然だ。辺り一帯から火が出ているのだ。熱くないはずがない。私は煙を吸わないようにできるだけ姿勢を低くして階段を駆け上がった。頭が軽くなったせいか、ずいぶんと速い気がする。二階に着くと、私は記憶を頼りに華凛の部屋へ飛込んだ。 「華凛っ!」 はたして、華凛は無事だった。幸い部屋の中央にいて、火から離れていたためであろう。しかし、意識はなく、ぐったりと倒れていた。それを確認して、一安心する。 さて、問題はここからだ。 華凛は無事だった。あとはどうやってここから脱出するかだ。 行きはまだよかった。走っていれば、だいたい火は引火しない。だが華凛を運んで移動するとなると話は別だ。ゆっくり移動などしようものなら、たちまち火が私達を包み込んでしまう。 おまけに私は、非力だった。華凛を持ち上げるぐらいならなんとかなるが、背負ったり抱えたりして移動など、到底出来はしない。 ならば、どうするか。答えは突入時に既に考えてある。 華凛の部屋には、窓がある。それは家の正面から見える位置に取りつけてあった。 つまり、ここから飛び降りれば、そこは現在榊くんが消火活動をしている場所となる。 だが改めて窓から下を覗いてみると、かなりの高さがあった。足が震えるのがわかる。一人で落ちても痛いだろうが、今から華凛を抱えて飛ぶのだ。痛いで済めばいい方かもしれない。 だが、迷っている時間もなかった。後ろからは着々と火が迫っている。 私は華凛を抱き上げた。見た目よりも重い。絶対髪と胸のせいだ。へんな悪態を心の中でつきながら、そのまま窓を開け、窓枠に足をかける。怖かった。だが、思いきり行かないと、かえって怪我をする。いや、この高さから落ちたら怪我をするのは当然なんだけど。 その時、風が吹いた。不安を煽り、炎の勢いまでも煽るだけの風のはずが、この時の風は不思議と恐怖心を吹き飛ばしていた。 なんとなく、シリアになったような気分だった。落ちても怪我をしないような気がした。たぶん気のせいだと思う。しかし、今の私には十分だった。 「榊くんっ、どいてっ!」 下に声をかける。榊くんの表情が驚愕に染まる。 後は、ここから飛ぶだけだ。 今、窓枠を蹴った。 「樹羽っ!!!」 榊くんの悲鳴。 僅かな浮遊感。 迫る大地。 そして、今それらが全て止まった。 「っ……!!」 足から落ちる事に成功した。だがあまりの痛さに声が出ない。足がすごく痛くて、何故か気持悪い。体を支えきれず、華凛を抱えたままぐらりと倒れた。足に熱が篭るのがわかる。折れたな、これは。 「おいっ! 大丈夫か!?」 榊くんの声が何故か遠く感じる。目の前には、華凛の顔。 (ちゃんと、助けたよ……華凛……) これで、助けてもらった分は返せた。 そして私は、あまりの痛さに対する現実逃避と、目覚めてからぶっ通しで動いた反動で、眠るように気絶した。 ほんと、樹羽には助けてもらってばっかりじゃない。なんかもう、感謝してもし足りないって感じ。 樹羽はすごいよ。あたしを助けちゃうなんて。 あたし、嬉しいよ。樹羽がちゃんと強くなってて。 あたしたち、これからもずっと親友でいようね? 約束だよ。 最後に一つだけ。 本当にありがとう、樹羽。 第十二話の2へ これからの話へ トップへ戻る
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【氷雪 恋】 引きこもりの小学生。両親は共働きで朝早くから夜遅くまで出かけており、友達もいない。 その孤独を埋めるために武装神姫に興味をもち、違法神姫サマエルを謎の青年から与えられる。サマエルによって半ば支配されるが、明日香によってサマエルを破壊される。 後にレンタルシンキスペースKAMIYAにてハウリン型MMS「ハテイ」と出会うことになる。 性格はおとなしくて引っ込み思案。口数も少なく、学校では常に目立たない。 ハティや静真、香織たちとの出会いを経て少しずつ変わって行くことになる。
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【武装神姫 MMS,Type SEED】 【JUVISY】 「秘めたる生命の力、今こそ……」 それは正に爛漫の時。それは最高の美を誇る時。 刹那の姿に魅せられて、誰もが幸せに包まれる。それを散らそうとする者に、私は怒りを覚えます。 朝、差し込んだ陽の下で、蕾がゆっくり開くように。 『花』を育てる貴方の為に。私は力を振るいます。 『種型MMS ジュビジー』 ジュビジーは第四弾としてジルダリア、フォートブラッグと共に発表された武装神姫だ。 副次効果のある武装群、ハイパーモードと呼ばれるパワーアップ等、他の神姫には存在しないトリッキーな装備が多いのが特徴。 その従来の系統と全く違う物を使いこなせるマスターは少ないものの、モノにした場合圧倒的な戦闘力をもたらす。 装甲面に関しては隙のない本体装甲に加え、ハイパーモード時には大幅な増加装甲が出現する為、第三弾以上の防御力となる。 特に可動式装甲【キュベレーアフェクション】を採用した事により、高い防御力を維持したまま軽量化及び重武装化に成功したのは非常に大きな強みといえる。 【基本能力】 ジュビジーは防御戦闘のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+2) 【格闘基本値】(+2) 【回避基本値】(+2) 【特殊】ハイパー・モード 「防御体勢」:自分のターンに宣言。 次の自分のターンまで【装甲】(+2) 【IV】(-10) 《シールドブロック》修得済 【技能】 ジュビジーはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 ジュビジー 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《鉄壁》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《待機攻撃》 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±0) 【速度】(5) 【格闘修正】(±0) 【装甲値】 ( 7 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(±0) 【HP】 ( 20 ) 【パワー】 ( 5 ) ○ジュビジー(ハイパー)(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(+1) 【センサー性能】(±0) 【速度】(5/VTOL) 【格闘修正】(+1) 【装甲値】 ( 10) 【旋回】(3) 【回避修正】(+2) 【HP】 ( 20) 【パワー】 ( 7 ) 【シールド値】 ( 3 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 5(7)/ ±0 / ∞ ハンマーシード / 8 / +2 / ∞ グリーンカッター / 10/ -4 / ∞ キュベレーアフェクション(*2)/ 12/ ±0 / 1 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 パウダースプレイヤー(*3) / 7 /+4/ -3 / - / - / 10 / × / × キュベレーアフェクション(*2) / 10/+5/ +2 / -8 / - / 10 / ○ / × (*1)HP50%以下で発動 (*2)ハイパーモード時のみ使用可能、【射程1~2】 (*3)命中した場合、(1D6)ターンに渡って【各修正】(-1D3) 再度命中した場合は、前回より1段階減少となる。但し累計が3を超えることはない。 【カスタムデータ】 ○ジュビジー(ノーマル) 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ / 胸部 / (3)/カーネルプロテクト+シェルスカート /《装甲+3》 脚部 / (0)/ ピスティルレッグパーツ /《装甲+1》 背部U / (2)/ キュベレーアフェクション /《ハイパー化》 武装 / (1)/ パウダースプレイヤー 計 /( 6 ) ○ジュビジー(ハイパー) 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ / 胸部 / (3)/カーネルプロテクト+シェルスカート /《装甲+3》 脚部 / (0)/ ピスティルレッグパーツ /《装甲+1》 背部U / (3)/ キュベレーアフェクション /《装甲+3》 《射撃+1》 《格闘+1》 《回避+2》 《シールド(3)》 《VTOL》 《パワー+2》 /《追加武装》 武装 / (0)/ パウダースプレイヤー 計 /( 6 )
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「どうもありがとうございます、お疲れ様でした、犬子さん」 「いえいえ、お役に立てて光栄です、マスターさん」 正座をして深々と頭を下げる――座礼するマスターさんにあわせ、こちらも武装神姫の関節構造の許す限りの範囲で真似た、似非正座姿勢で深々と頭を下げ、擬似座礼を行います。 絡まったコードを共同で解きほぐし、目を離せばUSB端子をスピーカー用マイク端子に繋ごうとするほどの機械オンチなマスターさんに僭越ながら私めが指示を出しつつ、今しがた無事にクレイドル及びPC接続キットの接続、それからついでにマスターさんのユーザー登録が完了しました。 クレイドルやPC管理といった管理環境が整って一安心と言うのもあるのですが、特にユーザー登録が完了したことに、私の感情回路は大きな満足を覚えています。 「そんなに嬉しいことなのですか、ユーザー登録は?」 「ええ、言ってみればマスターさんとの絆を、公式に認めてもらったということですから」 「なるほど、そういう捕らえ方もあるのですね」 「はい、武装神姫は、オーナーとの絆が深まることに喜びを感じるようになっていますから」 「そういうものなのですか」 「そういうものなのです。それに……」 「それに?」 私は似非正座から立ち上るとその場でくるりとターンし、可愛らしいポーズをキメて言葉を続けます。 「ユーザー登録をしていただくと、定期メンテナンス料金や公式通販利用時の割引やバトルロンド登録手続きの簡略化! 登録ユーザー様を対象とした限定パーツの販売や、最新の武装神姫情報満載のメールマガジンの無料配布といった、各種特典がもれなくついてきて大変お得なのですっ!」 「なんというか、明らかに今までと声のトーンと芸風が違うというか、非常に定型文かつ宣伝文句ですね」 「申し訳ありません、やはり私も商業商品である以上、販促活動の義務からはなかなか離れられなくて」 「世知辛いですねぇ」 「世知辛いです」 「ま、何はともあれ……」 「はい?」 「改めて、これからよろしくお願いいたします、犬子さん」 すっかりおなじみ、深々と座礼するマスターさん。 「はい、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします、マスターさん」 私も似非正座に座りなおし、精一杯の擬似座礼で応えました。 こうして私の、マスターさんとの生活が始まったのでした。 <そのいち> <そのさん> <目次>
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この物語の登場人物 都村 いずる(つむら いずる) ホーリーベル(ほーりーべる) ミルキー(みるきー) 木野 恒一(きの こういち) シュートレイ(しゅーとれい) ソルティ(そるてぃ) 和智 小百合(わち さゆり) 沼田 弘毅(ぬまた こうき) 本田 清張(ほんだ きよはる) ヤイバ(やいば) 白雷(びゃくらい) 井上 沙耶(いのうえ さや) メイリン(めいりん) 森 芳治(もり よしはる) ヨツンヘイム(よつんへいむ) 竜崎 賢市(りゅうざき けんいち) 凛花(りんか) 來華(らいか) 木林 モトヤ (きばやし もとや) 長倉 十郎太(ながくら じゅうろうた) 黒い天使(くろいてんし) ホワイトデビル(ほわいとでびる) シロン(しろん) メルクリウス(めるくりうす) 藍田 遼(あいだ りょう) 和多 清治(わだ せいじ) ヤクト(やくと) カウベル(かうべる) メリー(めりー) 謎のサングラスの男(なぞのさんぐらすのおとこ) 好村 輝美(よしむら てるみ) リオーネ(りおーね) アスティ(あすてぃ) シェイド(しぇいど) ソフィ(そふぃ) マリー(まり) 零(ぜろ) メイア(めいあ) 逢坂 克矢(おうさか かつや) 都村 いずる(つむら いずる) 19歳。とある私立大学に通う大学1年生。 大学に入るために実家からこの街へ引っ越してきた。 しかし大学に入っても何も目標が見つけられず、ただ当たり前のように大学へ通う毎日を続けていた。 クリスマスイヴの日、ホーリーベルと名づけられた神姫に偶然出会ってから、彼の当たり前だった平凡な日が一変し、思いも寄らない日々を過ごす事になる。 所々生真面目なところがあるが、基本的には気のいい性格である。しかしやるときはやるタイプで、とっさの判断力に優れているという一面もある。 ホーリーベル(ほーりーべる) いずるが偶然助けたツガルタイプの神姫(ただし顔は釣り目ではなく少したれ目になっている)。川に流されていたところを助けられ、いずるにホーリーベルと名づけられた。 普通神姫は起動したときにオーナーを認知するはずだが、ホーリーはすでに起動していたにもかかわらず、いずるをオーナーと認知している(これはいずるがホーリーの名付け親ということからオーナー登録をされたと考えられている)。 性格は天真爛漫で、すこしわががまなところもあり。でも最近はすこしだけおとなしく(?)なった。闘いを楽しんではいるものの、あくまでフェアプレイの精神を貫く。自分の名前がお気に入りらしく、一人称をホーリーと呼ぶくらい気にっているようだ。 対ブラッククリスマス戦で装備を破壊されたが、ミルキーのロボットペットのAIを装備したサポートメカ・鳳牙と合体して「ヴィクトリア・ホーリーベル」になる。 (ホーリーベルの装備については神姫装備関連集へ) ミルキー(みるきー) いずるの母が送りつけた(?)シュメッターリングタイプの神姫で、素直で気が利く性格。いずるが自分の手で始めて起動した神姫でもあり、そのためか性格も似通っている。 ミルキー自身の意思でもあるのか、彼女自身は攻撃用の武装を持っていない。その代わり、相手(神姫や他のロボットなど)の精神治療を得意とするため、主に治療用のアイテムを持ち歩いている。小百合からもらった「ヒーリングバトン」もそのひとつである。 木野 恒一(きの こういち) 19歳。いずるの親友で、同じ大学に通う同級生。 地方から引っ越してきたいずると違い、近くの実家からこの街のアパートに引っ越してきた。 神姫の扱いに熟練しており、数々のトーナメントに出場、好成績を残している。そのため大学をたまに休んでしまう事もあるらしい。 パートナーのシュートレイは親が関わっている神姫の開発部からテストヘッドとしてもらったもので、武装なども提供されているそうだ。 性格は少し能天気なところがあり、気楽に生きるのをモットーとしている。正反対の性格のいずるとは気が合うらしく、学校でも遊びでも付き合うくらいの親友である。 シュートレイ(しゅーとれい) 神姫研究所で開発された、フォートブラッグタイプの試作型神姫。 最初は研究所関係者である木野敬一郎(恒一の父)の手でプロトタイプが運用されていた。それを元に開発・製造された2号機が恒一の手に渡り、シュートレイと名づけられた。 すこし恥ずかしがり屋な彼女だが、オーナ(恒一)の命令には忠実に従い、実行する堅実さを持つ。また、礼儀正しいのも彼女の長所である。 数々のサポートマシンと合体し、状況の変化に対応できる能力を持っているが、単体でも高い戦闘能力を持っている。ただしシュートレイの場合は量産型のFブラッグとは違い、接近戦を主とした戦法をとることが多い。 最近は少々黒星が目立つ彼女だが、たとえバトルで深い傷を負っても驚異的な回復力でバトルに復帰できる不屈の精神を持つ。そのためいつの間にか一部のファンから新たに「不死身の騎兵」という二つ名で呼ばれるようになったようだ(元々彼女は「黒き流星」という二つ名で呼ばれていた)。 (シュートレイの装備については神姫装備関連集へ) ソルティ(そるてぃ) シュートレイ同様、神姫研究所で開発された神姫。ただし、ソルティの場合は先行量産型の位置づけである。 ソルティ自身はシュートレイとは異なり、試用目的で送られた神姫ではなく、敬一郎のプレゼントとして恒一の元に送られたものである。 性格は陽気で少しの失敗では気にしないタイプ。少し頑固なシュートレイとは対照的に、その場の状況をノリで乗り切る楽天家である。そのため、似た性格の恒一とはシュートレイ以上にウマが合う。ただし、戦闘ではネバーギブアップ精神を貫く、がんばりやな面もある。 経験や成績こそ発展途上だが、初戦ではとっさの判断でピンチを乗り切るなど、ダイヤの原石のような素質を持つ神姫である。 (ソルティの装備については神姫装備関連集へ) 和智 小百合(わち さゆり) 30歳。神姫研究所の第5室長を勤める、自称天才エンジニア。とはいっても彼女自身はソフト関係も担当しているため、その分野は多岐にわたる。小百合は敬一郎が通っていた大学の後輩で、彼を目標にして(あこがれて)この研究所に入社してきた。 実はホーリー(試作品ナンバー12)の開発に関わっており、本来なら彼女がオーナーになる予定だった。しかしある事故により試作型はロストしてしまったために、研究が進まずにいた。その後、偶然たずねてきたいずるとホーリーを見て、自分の神姫と再開することになる。それからは、いずるとホーリーをサポートする重要な存在となっていく。 とてつもなく明るく、天真爛漫な性格。意外とホーリーと似ているところがあるのは、彼女が産みの親だからなのか…。ただし研究に対しては厳しいところがある。神姫研究所のみならず、隣の神姫病院にも顔を出している。 沼田 弘毅(ぬまた こうき) 31歳。神姫研究所でシミュレーターの研究担当をしている、小百合の友人。小百合とは昔からの付き合いで、中学から学校が一緒であった。主にソフトのプログラムを担当していて、時々小百合もその研究に携わるときもある。 将来はバーチャルスタイルを普及させ、神姫や他のロボットバトルを安全に闘わせるのが今の目標であり、夢でもある。 外見に似合わず、気さくで誰とでも接してくれるいわゆる兄貴分な性格(?)。いずるや恒一にバトルについてのアドバイスや攻撃パターンなどのプログラム作成をサポートしてくれる頼れる存在である。 本田 清張(ほんだ きよはる) 年齢不詳の社会人オーナー。過去に数々のバトルに参加、好成績を残している。しかし、多くの試合に出場している割には優勝の経験がなく、本人もそのことを気にしていた。そのため数々のロボットのオーナーを経験している。その数は数体とも数十体とも言われており、仲間からも『乗り換えの本田』と恐れられているくらい有名になっていた。 神姫こそヤイバが始めてであったが、彼はヤイバでさえも負けたら見捨てるつもりだった。しかしヤイバの必死の説得により、パートナーを犠牲にして優勝するという考えを捨てた。それからはヤイバを唯一のパートナーとして共に闘い続けている。 ヤイバ(やいば) 本田所有の神姫。ハウリンタイプの素体に紅緒の鎧を小改造して装着している。鎧自体は軽装を選び、身軽さを重視している。 武装は腰に差している二本の刀(烈神、荒神)と、破邪顕正という槍を装備している。接近戦を重視した装備を装備しているが、中距離用の牽制武器として鎖つきの棘輪を装備している。他に火縄銃タイプのレーザーガン『光明』を装備する場合もある。 オーナー本田の命令を忠実に従う反面、彼の誤った考え方に奔るのを心配しているため、彼女はそれに悩みながら闘っていた。しかし迷いが解けた後は表情が穏やかになり、少し明るさが戻ったようだ。 本来彼女は心優しい性格だが、バトルでは心を鬼にして相手に立ち向かう。弱点としては、落ち込みやすいことと、優しすぎる事。しかし、その優しさが白雷の心を開く鍵となったのは言うまでもない。 (ヤイバの装備については神姫装備関連集へ) 白雷(びゃくらい) 研究所の緒方の勧めで譲り受けたロボット馬。研究所にいたときは相当の暴れ馬として有名だった。しかしテレビのヤイバの活躍に興味を持ち、自ら緒方にヤイバと会いたいと頼み、本人と出会うこととなった。そのときにヤイバに「白雷」と名づけられる事になる。 その後、本田の家へ迎え入れられた白雷だったが、なかなかなつく事はなかった。だが、ある事件をきっかけにヤイバとの友情(愛情?)が芽生え、それ以降は彼女に従うようになった。 ヤイバを背に乗せて突進する「人馬一体・一騎当千」が必殺技。 井上 沙耶(いのうえ さや) 最近話題になっている「神姫同好会」のメンバー。彼女自身は神姫歴1年目ながら数々の大会に出場、好成績を残している。実はあるショップに関わったおかげで神姫マスターの道に入ったという噂があるらしい。 誰にでも仲良くできるオープンな性格で、男女問わず友達が多くいる(その中には自らの手で同好会に誘った友達もいるといわれている)。 メイリン(めいりん) 沙耶の神姫で、主に獣拳と呼ばれる拳法で相手を倒すスタイルをとる。そのため武装類は他の神姫よりも少ない。相手をむやみに破壊しないクリーンな闘い方をするため、老若男女問わず多くのファンを持っている。 人懐っこい性格はオーナーの沙耶の影響を受けているからであり、そのせいなのかちょっぴり甘えん坊なところもあるようだ。 (メイリンの装備については神姫装備関連集へ) 森 芳治(もり よしはる) 日本のみならず、世界でも有数の財閥である森コンツェルン。創始者の森圭一の長男が芳治である。 彼は系列会社が開発を行なっている武装神姫に興味を示し、自分の神姫を使って各地の大会で優勝して名を上げようとして、全国を駆け回っていた。 しかし恒一が駆るシュートレイに自分の神姫が負けたとき、自分がまだ甘いと知った。一度は神姫を手放そうとするが、恒一の一言で考えを改めることになる…。 ちなみに、本人は「よしはる」という名前を使わず、「ホージ」という名前を好んで使う。 ヨツンヘイム(よつんへいむ) 芳治がオーダーメイドで発注したパートナー神姫。最高の設備と最高の装備を与えられた彼女は、芳治とのチームワークにより数々の強敵を破り、ついにはセカンド上位の地位まで上り詰めるほどの実力を持つようになった。 オーナーである森芳治を唯一無二のパートナーと信じており、彼の指示・命令は絶対だと思っている。それが仇となったのか、VSシュートレイ戦では自分の身体の限界を省みず、最後までオーナーが望んだ勝利をつかもうとした。 ちなみにヨツンヘイムという名前は、北欧神話で巨人が住むといわれている街・ヨツンヘイム (Jotunheim)にちなんで付けられた(これは芳治が北欧神話に興味があるからつけたといわれているらしい)。 (ヨツンヘイムの装備については神姫装備関連集へ) 竜崎 賢市(りゅうざき けんいち) 世界でも名うてのアートデザイナーであり、その名前を知るものはいないと言われている。ただし神姫界などのバトルロボット界では殆ど知られていない。そのために神姫界に参入したといわれている。 争いを好まない保守的な性格で、いずると似通っているところも多い。ただしやると決めた事は必ず実行するという頑固さを持っている。 來華と凛花とは約一年前に購入したのがきっかけだといわれている(購入目的は作業パートナーが必要だと思ったためらしい)。そのため、最初はバトルに出場する事は考えていなかった。しかし彼女達の鶴の一声で神姫界にデビューする決意を固めた。 凛花(りんか) 賢市所有のジルダリアタイプの神姫。デビューする前は賢市の作業の手伝いをしていた(そもそも彼女と來華は賢市のサポートのために購入された神姫である)。バトルデビュー後は華麗な動きで敵を倒すハイブリッドファイターとなる。 冷静沈着な性格で、相手の行動を正確に捉え、相手が参ったというまで攻撃の手を緩めない。冷静ではあるが冷徹な所もあり、相手に対しては容赦なく攻めるタイプだといえる。 (凛花の装備については神姫装備関連集へ) 準備中 來華(らいか) 凛花同様賢市所有の神姫で、ジュビジータイプ。デビュー前は賢市の身の回りの手伝いをしていた。その後バトルデビューし、短期間でよい成績を残している。 凛花とは違い防御力が桁外れに強く、なおかつ打たれ強い。ただし決定的な一撃に欠けているため、いわゆる一撃必殺の技を持っていないのが欠点といえる。 明朗活発で誰とでも仲良くなれるオープンな性格。初めてホーリーと出会ったときは彼女の事を少しからかっていたが、本人に悪気はなかったようだ。 (來華の装備については神姫装備関連集へ) 準備中 木林 モトヤ (きばやし もとや) 暁新聞社に勤める編集部員。入社して2年目の新人で、神姫ジャーナル担当の一人である。 小さな会場で出没する謎の神姫を上司である長倉に聞かれたのをきっかけに神姫探しに付き合うことになる。 性格は温厚で人に気を遣うことが多い。 長倉 十郎太(ながくら じゅうろうた) 暁新聞社に所属する手馴れの編集部員。四十代の中年で家族もちだが、家族の事はあまり話したがらない。 神姫ジャーナルの編集長で少ない部員(モトヤを含めて三人)を率いるジャーナリストである。 謎の神姫の噂を耳にし、モトヤと共にホワイトデビルが出場する試合会場に足を運ぶ。そして彼らは謎の神姫を目撃する事になる。 黒い天使(くろいてんし) 闇の神姫会場に出没すると言われている全身が黒い天使型の神姫。 彼女が出るところ闇の事件が暴露される事から暁新聞社内にも憶測が広がっていた。そしてジャーナル内にもその噂が舞い込んできた。 長倉はモトヤと共に一度天使と戦ったことがあるWデビルが出場する会場に向かうことになった。そしてその場所で見たものは、紛れもない黒い天使だった・・・。 彼女の性能・プロフィールは謎に包まれているが、Wデビルを2度も倒していることもあるため、かなりの実力を持っていると思われる。 ちなみに彼女の本名はアンジュラであり、ある特殊部隊に所属しているらしい。 ホワイトデビル(ほわいとでびる) 闇のロボットバトル界でも有名な白き神姫。 その名のごとく悪魔のような戦い方を好む。対戦相手の手足を破壊するのは日常茶飯事で、時には相手のコアですら引きずり出して破壊する事もある。 過去に一度黒い天使に敗北しており、再戦の機会をうかがいながら闇のバトルを勝ち進んでいた。 シロン(しろん) 黒き天使に破れ、謎のオーナーに破棄されそうになったところを天使に助けられたWデビルは、モトヤに預けられて新たなボディと名前を与えられた。 そのときにCSCユニットは破壊されているため、今の彼女にWデビルの記憶と人格はない。 現在は新たな特ダネを手に入れるため、専用カメラを装備してモトヤ達と共に毎日のように現場をまわっている。 メルクリウス(めるくりうす) 水中では向かうところ敵なしのヴァッフェドルフィンタイプの神姫。 かなり真面目な性格だが、一度キレると手が付けられなくなるほど暴れまわる欠点がある。 ただし本人は自覚がなく、暴走したときの事を覚えていないようだ。 (メルクリウスの装備については神姫装備関連集へ) 藍田 遼(あいだ りょう) メルクリウスのオーナーであり、神姫ランキング上位の強者。 性格は気さくで誰とでも優しく接する。 実は彼はあることを知っているのだが・・・? 和多 清治(わだ せいじ) ヤクトおよびカウベルのオーナーで、会社員である。 相手に気を使う性格で、少し腰が低い。相手に対してはいつも笑顔を絶やさず、営業スマイルでその場を乗り切ることが多い。ただしプライベートでも基本的に同じ性格なため、生まれ持った性格といえるかもしれない。 表向きは『メディアトライブ』の営業部員だが、実は間接的に『神姫研究所』とかかわりがある。ただし彼はあくまで営業部員であるため、大会に出場する事は可能である。 ヤクト(やくと) 和多のパートナー神姫の一人。高機動バックパックを背負い、空中を自在に飛び回る。ドッグファイトが特異で、すれ違いざまに手持ちの剣で相手を切り裂いたり、バックパックに搭載されているミサイルで全包囲攻撃を行ったりする。そのため『空中戦では敵無し(本人談)』といわれている。 その名のごとく攻撃的な性格で、熱しやすく冷めやすい。相手をごり押しする攻撃を行うのもその性格が原因だと言われている。 (ヤクトの装備については神姫装備関連集へ) カウベル(かうべる) 和多のパートナー神姫の一人で、控えめな性格。その性格のせいか、後方支援を行うことが多い。自身が操縦するエアーバイクで地上での高速砲撃を行うほか、スナイパーキャノンに変形させて正確射撃を行うこともある。 基本的に自らは攻撃を仕掛けないが、それはあくまで敵に攻撃を仕掛けられた時だけである(ただしヤクトや和多の命令では自ら攻撃を仕掛けることもあり)。 真鬼王『不動』に合体したときは、制御系を担当する。零リベリオン時には新たなサポートマシン『獣牙王』を駆り、ヤクトと不動のサポートを行った。 (カウベルの装備については神姫装備関連集へ) メリー(めりー) 謎のサングラスの男をオーナーとする、ツガルBlue X mas Ver.タイプの神姫。ただし顔はオリジナルである。別名ブラッククリスマスで、相手に恐怖のプレゼントを贈ることから名づけられたと言われている。 背中に装備された8本の刃・ヴァルキリーフェザーを用いての接近戦を得意とし、これで何体もの神姫やバトルロボットを倒して来た(稀に重火器を使用することもあり)。 常に表情を見せないクールビューティであるが、内面ではサングラスの男の復讐に疑問を持っていた。ホーリーとの戦いで、男の復讐をやめるような発言をし、自らの過ちを告ぐなうために自決した。なお、このメリーは2代目で、初代のメリーは過去に何者かに倒されている。そのときに再生されたのが今のメリーである。 謎のサングラスの男(なぞのさんぐらすのおとこ) 本名不明のオーナー(本名を隠して登録していると言われているらしい)。違法行為と知りながら他の神姫を再起不能(正確には再起不能寸前)にし、また本人もレギュレーション違反をしていた。裏のコミッショナーに関係を持っており、そこから援助をもらっていたらしい。 メリーの発言により復讐の愚かさを知り、もう一度最初から人生をやり直す事を決意する。 好村 輝美(よしむら てるみ) リオーネとアルティのマスター。イリーガルの討伐部隊に参加し、和多とともに先発隊を志願した。 基本的にあまり話さず、落ち着いた雰囲気の彼だが、実は正義感が強く、一度決めたことは最後までやりとげる性格を持つ。過去に、バトルアリーナで優勝した経験を持っており、神姫マスターとしてはトップクラスの実力を持っている。 リオーネ(りおーね) 好村輝美をオーナーとする、ムルメルティアタイプの神姫。ヤクトとカウベルとともにイリーガル討伐先発隊に参加した。 トライク搭乗時には比較的軽装だったが、本来は重装備を好む。バトルアリーナのときもギガントアーム・レッグを装着した重装備で出場しており、多くの強敵を倒してきた。対イリーガル戦でもフル装備で出撃している。 性格は頑固なところがあり、有言実行をモットーとする。そのため、言葉使いが何気に固めである。 アスティ(あすてぃ) リオーネ同様、好村をオーナーとする、イーダタイプの神姫。彼女も討伐先発隊に参加した。 イーダ本来の機能である、トライクへのトランス機能を用いての高機動戦闘を得意とする。リオーネと違い、装甲の妨げになる武装は一切装備せず、デフォルトの武装と斬機刀「鉄山」を用いての格闘戦が彼女のバトルスタイルである。 性格はおっとりしていて大人しい印象を持つアスティだが、冷静に行動パターンをはじき出す戦略家の面を持っている。しかし、キレるとかなり乱暴な口調になり、相手は彼女の説教を延々と聞かされることになる。頑固なリオーネもアスティの説教には頭が上がらない。 一度は武装を大破されたが、新たな装備を身につけ、戦線に復帰した。 シェイド(しぇいど) ネット上で徘徊している謎のエウクランテタイプ(ブラックバージョン)の神姫。 初登場時にはヤクトたちに立ちはだかり、謎の行動を起こしたが、敵意があるための行動かどうかは謎であった。本来はイリーガルの行動を追っていた特殊部隊の一員である。 無口で近寄りがたい印象を持つ。しかし、パートナーであるソフィとは仲が良いようである。 ソフィ(そふぃ) シェイド同様、謎の行動を起こしているイーアネイアタイプ(ブラックバージョン)の神姫。シェイド同様、特殊部隊の一員である。メリクリウスと互角に渡り合えるほどの実力を持ち、彼女を窮地に陥らせた(もっとも、これはメリクリウスの誤認が原因だが)。 性格は少し軽いところがあり、相手をからかう仕草を見せることがある。パートナーのシェイドとは旧知の仲。 マリー(まり) 神姫病院に勤める、ブライトフェザータイプの神姫。ヤクトたちのサポートのため、討伐隊に参加した。ナース型であるため、直接戦闘に参加せず、他の仲間の治療や対イリーガルワクチンの投与などを行う。 外見上はおとなしい印象をもつ彼女だが、仕事をしっかり勤めつつ、なおかつ笑顔を絶やさないナースの鏡のような性格である。 零(ぜろ) イリーガル事件(後の零・リベリオン)を起こした張本人。ロボットによる世界支配を目的とし、この事件を起こした。 自我のない素体イリーガルを自身の手足として使うが、自らが戦闘に赴くことも多い。単体でも並みのロボットをまとめて破壊できる能力を持つが、ゼルガと合体することで更なる能力を発揮する。 野心の高い性格のためなのか、目的を達成するためにはあらゆる手段を使い、どんな犠牲もいとわない。そのため、場合によっては仲間を使い捨てにする行為をとることもある。絶対の自信を持っている零だが、予想外の行動をとられると、それに対応しきれないという弱点をもつ。 メイア(めいあ) ソルティが初めて戦った、ヴァローナタイプの神姫。 ルーキーに近い位置にいるものの、実力は折り紙つき。意表をついた戦法で数々のバトルで勝利を収めてきた。 プライドが高く、自分が強いという自信を持っている。その反面、プライドを傷つけられると弱みが出てしまうという弱点が存在する。髪型を気にする癖がある。子どもに対しての面倒見がいいという、意外な面を持っている。 逢坂家ではアイドル的存在になっており、オーナー・克矢の部屋に神姫サイズの専用部屋が置かれるなど、ほかの神姫と比べて優遇されている。 逢坂 克矢(おうさか かつや) メイアのオーナー。穏やかで優しくが、時には厳しく強い態度をとることもある。 社会人で既婚者。メイアに対しては妹のような関係を持っている。 最初は神姫には興味を示さなかったという。しかし妻の趣味の影響と彼女の勧めにより、自らも神姫に手を出したという過去がある。 メイアについては家族の公認を得て登録しており、自身も気に入っている様子。 もどる
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ウサギのナミダ ACT 1-11 ◆ 久住菜々子は大学生である。 東京にある大学からの帰り、あのゲームセンターに寄るのは、一度最寄り駅を行き過ぎなくてはならない。 また、武装神姫を常に持ち歩いているわけではない。 だから、あのゲームセンターに行くのは、週末にしていた。 だが、今日は違う。 朝からミスティを連れ、装備の入ったアタッシュケースを持って、大学に行った。 はやる気持ちを抑えて、大学の授業をみっちりと受け、講義が終わったらダッシュで駅まで。 それでもゲームセンターにたどり着いたのは、夕方も遅くなってからだった。 今日は金曜日。 繁華街は、翌日休みの気楽さで、週末の夜を楽しもうと、すでに多くの人が繰り出している。 浮ついた世間の雰囲気とは逆に、菜々子の心は緊張していた。 ゲームセンターにつくと、すぐに武装神姫のコーナーへと向かう。 平日とはいえ、金曜日の夕方。休日に劣らず盛況である。 壁際に、見知った顔を見つけた。 大城大介だ。 雑誌を片手に、なにやら難しい顔で、バトルロンドの筐体を睨んでいる。 「大城くん、こんばんは」 「おお、菜々子ちゃん!」 振り向いた男の顔がぱっと明るくなった。わかりやすい。 「もう、来ないかと思ってたぜ……」 「うん……迷ってたんだけど……やっぱり、ね」 微笑みながら頷く大城。 そんな彼に、菜々子は片手を突き出した。 「その雑誌……またティアが出てるんでしょう? 見せて」 「いや、あの……これは」 雑誌と菜々子を見比べながら、困った顔をする大城。 「刺激が強すぎるから……見ない方がいいんじゃ……」 なかなか雑誌を渡そうとしない大城を一瞬睨み、菜々子は物も言わずに雑誌をひったくった。 薄い雑誌をぱらぱらとめくる。 中ほどの袋とじに、目的の記事はあった。開封されている。 扉は写真の反転画像で、黒の背景に白のラインで女性の姿を形作っている。 「大反響アンコール! 淫乱神姫・獣欲のまぐわい」と、また奇妙な字体で貼り付けられていた。 菜々子には中身の想像がつかないタイトルだ。 意を決して、一枚目をめくる。 「……っ!!」 肩にいるミスティが息を飲む気配。 震える手で、二枚目をめくる。 次のページを目にした瞬間、菜々子は雑誌とミスティを大城に押しつけると、すごい勢いでお手洗いに駆け込んだ。 「だからいわんこっちゃない……」 半分あきれ気味に大城が呟いた。 確かに、あの内容なら、見るのを止める方が親切よね、とミスティも思う。 しばらくして、菜々子が戻ってきた。 顔面は蒼白。ハンカチを口元に押しつけている。身体は小刻みに震えている。 それでも菜々子は、また黙って、大城に片手を突き出した。 「いや、だから、やめといた方がいいって」 「わたし、決めたの……もう逃げないって。あの二人の力になるって。だから、どんなに辛くても、わたしはそれを見なくちゃいけないのよ」 大城はため息をつくと、雑誌とミスティを菜々子に手渡した。 ミスティを肩に乗せ、再び例の記事を開く。 今度は、さっきよりも冷静に見ることが出来る。 しかしまた身体が震えだした。 「……ひどい……」 怒りだ。怒りに身体が震える。 雑誌の中で、ティアは陵辱されていた。 よつんばいのティアの後ろからのしかかっているモノ。 人間じゃなかった。人型ですらなかった。 犬だ。 神姫サイズの犬型ロボットが、ティアの背後から覆い被さっている。 雑誌の中のティアは、苦悶と恍惚が入り交じった表情を浮かべていた。 写真を見ているだけで、胸が張り裂けそうになる。気が狂いそうになる。 ティアは……毎日、こんな仕打ちに耐えていたというの。 菜々子の耳に、笑い声が聞こえてきた。 少し離れたところで、数人の男達が同じ雑誌を見ている。同じページを開いている。 下卑た笑い声を上げ、ティアのことをあることないこと声高に話している。 みな見知った顔だった。このゲーセンの常連達だ。 だったら、知っているはずではないのか。ティアと貴樹がどんな戦いをしたのか。それを見てもまだ、そんなバカにしたことが口に出来るのか。 ミスティは憎しみすらこもった眼差しで、猥談に花を咲かせる男達をねめつけた。 「あいつら……ふざけやがって……」 憎々しげな呟きの主に目を転じると、それは虎実だった。 ミスティはちょっと驚いて、虎実を見つめた。 「あら……虎実はちがうの?」 「たりめーだろ! ティアと戦ったヤツにはわかるはずだ! こんなクソ雑誌の記事なんか……いまの二人に何の関係もねぇんだって!」 虎実はミスティを睨んだ。 「アンタもそうじゃないのかよ、ミスティ」 ミスティを見る虎実の目は、真剣だった。 いつもはミスティがからかったのを真に受けて、ただ怒った視線を向けてくるだけだ。 だが今日は違う。 眼差しの質が違う。 自分の確固たる信念の下に、相手の嘘を許さない、揺るぎない視線。 「わたし、初めてあなたに関心したわ」 「……どーゆー意味だ、それ」 「あなたと同じ意見、っていう意味よ」 ミスティは薄く笑いかけた。 「虎実、わたしたち、協力しない? ティアが戻ってこれるように力を尽くすの」 「だったら……一時休戦すっか?……ティアのために」 「いいわ。これからわたしたちは仲間……戦友よ」 ミスティが握った拳の親指を立て、サインを出す。 虎実もサムアップして頷いた。 奇妙なシンパシーでつながった二人の神姫に、マスター達は顔を見合わせて、肩をすくめた。 そして、大城が、ちょっと難しい顔をして、言いにくそうに口を開く。 「先週末……遠野が来てな……日曜日に、ちょっと騒ぎになった」 「え? ……なにが、あったの」 日曜日の出来事を、大城はかいつまんで話した。 菜々子の顔がみるみる険しい表情になっていく。 「壁叩いて右手壊したって……あの、遠野くんが……!?」 にわかには信じがたい。 あの、いつもクールな雰囲気の遠野が感情を剥き出しにして自分を傷つけるなんて。 それほどまでに、彼は深く傷ついているのだ。 菜々子の想像よりも遙かに。 菜々子がうつむいて、思いを巡らせていたその時、 「よお、エトランゼ。珍しいな、平日の夕方に来るなんて」 男が声をかけてきた。 思わず睨みつけてしまったのは、タイミング的に仕方がないことと思う。 むしろ、空気を読め、と菜々子は言いたかった。 声をかけてきたのは、ヘルハウンドのマスターだった。 一緒に二人の男がいる。 いずれも見知った顔だった。 「三強が揃い踏み……ね。何か用?」 菜々子ははっきり言って、三強のマスター達が嫌いだった。 『ヘルハウンド・ハウリング』の二つ名を持つハウリン・タイプのマスターは、坊主頭で日焼け肌の男だ。 三人の中では一番の常識人だが、自分が三強の一角であることを時々鼻にかけることがある。 後ろの男達の一人は、ウェスペリオー・タイプのカスタム機のマスター。 『ブラッディ・ワイバーン』と呼ばれている。 背がひょろひょろ高く、薄気味悪い顔色。 困ったことに菜々子に気があるらしく、しょっちゅう言い寄ってくる。 このゲーセンに来た頃、「バトルに勝ったらデート」を無理矢理承諾させられた。 もちろんバトルは菜々子が勝ったが、その後の対戦者も次々に同じ条件を申し入れてきて、断れなくなった。 それを見た遠野に釘を刺されたのは苦い思い出だ。 遠野くんがわたしを、そんなに軽い女だと思っていたらどうするつもりなのかと、この男と顔を合わせるたびに腹が立つ。 もう一人は、年下の高校生だ。 三強の一角だけあってバトルは強いのだが、とにかく「俺強い」と主張する。 バトルに勝てば、相手を見下し、自分の強さをえらそうに自慢する。 逆に負けると、今回チョイスした武装、自分の神姫のせいにして、やっぱり対戦相手を見下す。 ミスティに言わせれば、最低の武装神姫プレイヤーだ。 そんな彼の神姫はエスパディア・タイプ。基本ユニットと素体はエスパディアだが、武装は種類も搭載量も毎回違う。 対戦相手に合わせてチョイスしているわけでも、武装を試しているわけでもないのだ。 あまりにも毎回武装が違うので、『玉虫色のエスパディア』と呼ばれていた。 本人は意味をよく分かっていないらしい。 三強を代表して、ヘルハウンドのマスターが口を開く。 「エトランゼを誘いに来た。……俺達の仲間に入らないか?」 「……あなた達の……?」 「強いヤツは強い者同士が仲間になった方がいい。情報交換や練習、戦術の研究もその方が効率的だ。 あんたの実力は、俺達三強も認めるところだ。だから誘いに来た。 それに……」 ヘルハウンドが一瞬口ごもったのを引き継いで、ワイバーンのマスターが口を挟んだ。 「それに、ティアのマスターも、もう来ないしさぁ! り、陸戦トリオも解散だよねぇ!」 ワイバーンのマスターは嬉しそうだ。 菜々子に気があるワイバーンにしてみれば、いつも菜々子のそばにいる遠野は、目の上のタンコブだったのだろう。 さらに、玉虫色が言った。 「てか、もうアイツはここに来られねーよな。あんな風に発狂しちゃったんじゃさ! あはははは!」 「……は、はっきょう……って……?」 「ああ、ティアのマスター、こないだの日曜日にキレて暴れ出したんだよ。 『悪いのは全部人間だ』とか言っちゃってさ。 他の男にヤられた神姫使っておいて、そんなこと言うなんてさ! 笑っちゃうよね! あはははははは!!」 「おい……言い過ぎだぞ」 さすがに、ヘルハウンドのマスターが、玉虫色のマスターの態度をとがめた。 菜々子は、そっと、唇を噛んだ。 あの遠野くんが、そこまで怒ったの。 あそこまで真っ直ぐに神姫と向き合っている人を。 あなたたち、そこまで彼を追い詰めたの。 菜々子は、肩にいるミスティにだけ聞こえる声で、ささやいた。 「ねえ……この悔しさって、遠野くんの悔しさに比べたらどれくらいかな」 「いいとこ、百四十四分の一くらいじゃない?」 「ずいぶんキリのいい数字ね……」 もう、許せない。 意を決して、うつむけていた顔を上げる。 菜々子は三強の男達を鋭く見据えた。 「わかったわ……それじゃあ、わたしとバトルして、あなた達が勝ったら、仲間になってもいい」 「なに?」 「わたしだって、組むなら強い人と組みたいもの。あなた達の実力、もう一度見せてもらいたいわ」 「そうか……わかった、今からバトルしよう。それでいいか?」 「ええ」 「対戦する順番は……あんたが指名してくれるのがいいかな……」 「何言ってるの?」 ヘルハウンドのマスターの言葉を、菜々子は鋭く遮った。 「違うわよ。『あなたたち』って言ったでしょう?」 武装神姫コーナーの奥、複数人数同時プレイ可能な大型の対戦筐体を指さした。 「スリー・オン・ワン。三人まとめてお相手するわ。準備して」 次へ> トップページに戻る
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そのに「回顧録・一」 僕がのティキを所有する事になってから、日はまだ浅い。 今僕と共にある武装神姫――ティキは、元々亡父の物。言わば形見だ。 つまり僕は自分の神姫と付き合っていく上で、ティキを一から育てると言うメリットを放棄させられたワケだ。 ……なんて言うか、つまりはそういう事。どんな原理か原因かはわからないけど、あの時ティキは『死ななかった』。 だから手探りで半ば完成されたティキというパーソナリティーを理解していくと言うデメリットだけを負わされた事にもなる。 そういえば、登録の件でメーカーに連絡したときも大変だったっけ。 あの時僕はただ泣く事しか出来なかった。 泣く事で、頭と心を支配していた悲しみを埋める事しか出来なかった。 だから、すぐ側で泣いているその小さな存在に気付いて、とても驚いた。 そこには動かないはずの神姫が、ティキが居たんだから。 「な……なんで?」 僕のその言葉はティキが動いている事に対する問いかけだったけど。 「ティキが悲しいのと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、雪那さんも悲しいはずなのですよぉ~」 ティキからの答えはそんな次元を大きく飛び越していて。 だからそんな野暮な事を聞くのはやめにした。 その場は確かに二人して泣いてれば良かったんだけど…… 実際、問題はそれだけじゃ片付かない。 「とにかく、まずはティキの現状をどうにかしないと」 「雪那さんがオーナーになってくれればいいのではないのですかぁ?」 「えーっと、それは……」 メーカーがこんな事態を想定していない以上、おいそれとそれを認めて言い訳もなく。 なにより僕はそれまで自分の中にあるオタク気質というものを一切否定して暮らしていたのだ。だから、『武装神姫を所有する』=オタクという図式に自分が組み込まれることに躊躇し、しぶっていた。 いや、そんな事言ってる場合じゃないのは解ってるけど……だって、ねえ? オタクである事を隠している人になら、あるいは共感してもらえるかなぁ……と。 「ダメなのですかぁ?」 「えーと、どうだろう?」 とりあえずそこは曖昧にしておこう。 先にメーカー側に問い合わせる事から始める。 ただの先送りだけど。 で、メーカーに問い合わせた所、それこそこのケースは異常事態らしいと判明。 その時僕は無知にして当然知らなかった訳だけど、一時期ネット上で流れていた音声ファイルの『眠り続ける神姫』の話。アレの更に先を行く事態とか何とか。 で、なんだか解らないうちに、話がでかくなっていって。電話の向こうでは上を下への大騒ぎ。 結局どうなったのか解らないうちに、とりあえず、断定的に所有権の譲渡が行われてしまった。 理解できたのは、ティキが『死ななかった』件については他言無用との事と、データの収集のために出来るだけ普通に神姫に接して欲しいという事。そして定期的な検診を受ける事を言い含められたという事実。 なんだか本当に大事じゃないか? でも、当のティキといえば、 「これから宜しくなのですよぉ♪」 こんな調子だった。 そんなこんなで。 ともかくティキのオーナーになった僕は少しでも彼女を理解したいと、そんなわけだ。 それを少しでも簡単にと(愚かにも)思った僕は、親父の書斎へと向かう。 ……冷静に考えれば、こんな考え方だから僕は振られたのだろうか? それはそれとして、親父はマメな人物でもあったから、もしかしたらPCに痕跡ぐらいは残ってるだろうと当たりを付け起動させる。 果たしてそこには『日記』と記されたフォルダが残されていた。 ……痕跡どころじゃねーよ。そのものだよ。 ともあれ、僕はそのファイルを開く。 ○月○日 この日俺はついに武装神姫に手を出してしまった。 こんな事家族に言ったらもしかしたら妻は離婚を言い出すかもしれない。 息子に言ったなら、俺は軽蔑され、冷たい視線を受ける事になるだろう。 でも、お義父さんの神姫を見ていたら、どうしようもなく、たまらなく羨ましくなったのだ。それはもう仕方が無い事なのだ。 俺は食事、団欒の後、なるべく自然に書斎へ戻ると、逸る心を抑えられずすぐさま神姫のパッケージに手をつけた。 MMS TYPE CAT『猫爪』。 俺は焦りながらも慎重に、とにかく家族に気付かれない様、細心の注意を払って開けてゆく。 そこには夢にまで見た神姫が、眠るようにいた。 俺は早速神姫を起動させる。 それには様々なプロセスを必要とするが、今ここで書いても意味は無い、な。 とにかく一通りの手順を踏み、彼女は起動した。 始めに何かしら説明を話し始め、その後彼女はおもむろに俺に言った。 「固体名と、オーナー呼称を登録してほしいですよぉ♪」 ……この子は何で歌うように喋るのか? お義父さんの所の娘達は普通に話していたのに??? 「どうしたのですかぁ?」 にっこりと笑って俺を見る。と言うよりそんなものを登録するという事実をすっかり忘れていた。 「……あーすまん。チョット待ってくれ。考える。」 「ハイですぅ♪」 目の前の神姫はそういうとその場でぺたりと座った。 あーかわいいなぁ。……いや、そうじゃない、考えよう。 どうせなら変わったのが良いな。でも名前は変すぎても可哀想だ。と、俺が頭を捻っている間も彼女は俺をジッと見つめている。……愛らしいなあ。 はた、とそこで思いつく。 「オーナー呼称の方、先でも良いかな? 『旦那さん』と呼んでくれ」 「『旦那さん』ですねぇ♪ ……登録したですよぉ♪」 そういうと彼女は「旦那さん、旦那さんですぅ☆」と何度も言って机の上をピョンピョンと跳ね回った。 そんな彼女を見ていると微笑ましくなる。……正直に言えば、ニヤニヤしている自分を自覚する。 そんな彼女の様子を目で追いながら、俺は名前を考えていた。 「ダメ大人じゃねーかよ!!」 僕はただただ、PCの前で突っ伏した。なんだか日記も妙に読まれる事を意識した書き方だし。 ……なんだか読むのが億劫になってきたな。続き読むのよそうかな。 でも、それでも戦慄した一つの事実。 ……確実に僕にもこの親父の血が流れていると実感した事。 つまり、最初はなし崩しだったとしても、今はそうじゃないって事。 終える / もどる / つづく!
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概要 一覧神姫読み込み画面について解説 フレンド機能について解説 バトルについて解説 リア武装について解説 武装の重複について解説 神姫固有パッシブスキルについて解説 アクティブスキルについて解説 バトル報酬のコンテナについて解説 武器について解説 AIタッグバトルについて解説 神姫・武装の購入について解説 レクリエーションについて解説 リーグのリセットについて オプション設定について解説 チュートリアルバトルについて 二の腕に当たり判定をつけました。解説 概要 ここでは2023年1月25日の大型アップデートによるシーズン2開始に伴う変更点を列記する。 大きな変更点はカードの印刷が不要になったこと、神姫・武装を無制限に購入可能になったこと。 バトル面では飛行リアの挙動やスキル面に手が加えられており、特にジェムバトルを主眼に置くプレイヤーには大きな変化が求められる。 「公式テキストをそのまま引用→解説」という流れだが、まずはざっと公式お知らせページを観ると良いだろう(スクショもあって解りやすいので)。大きな変更が続いた2023年4月10日のアップデート分までを掲示する。wikiでの引用と解説は①の分のみ。 2023.1.24 アップデートのお知らせ ① 2023.1.27 アップデートのお知らせ 修正のみ 2023.2.13 アップデートのお知らせ ② 2023.3.13 アップデートのお知らせ ③ 2023.4.10 アップデートのお知らせ ④ 一覧 神姫読み込み画面について + 詳細、公式より カード化していない神姫もカード化した神姫と同様に制限を撤廃しました。 今後はカード化しなくてもレア度が判明し、親密度の上限がカード化した神姫同様になります。 神姫の最大お迎え数を100に変更しました。 神姫リストはカード化していない神姫と、カード化した神姫のデジタル化した神姫を合わせて100体になります。 カード化した神姫は読み込むことで神姫リストへ加わります。 また、神姫をカード化した場合、神姫リストから外したとしても何度でもリストに加えることができます。 神姫リストが100体に達した場合、新しいカード神姫の読み込みや神姫お迎えができませんので、一度神姫リストから外してプレーしてください。 カード化せず途中まで育てたカードをカード化した場合でもデータは引き継がれます。 既に持っていたデジタル神姫はシーズン2開始時に全てレアリティや個体値が判明した状態になります。 ※譲渡された神姫カードも、読み込むことで神姫リストに加わります。 ※手元に神姫カードがなくカード神姫を神姫リストから外した場合、復旧はいたしかねますので、神姫カードを筐体に忘れないよう引き続きご注意ください。 ※カード裏面の情報についてはカード化しなくても神姫に反映されておりますが、引き続きカードコネクトでプリントすることで裏面の情報を確認できます。 解説 要するに、ガチャでお迎えした神姫を印刷無しで即使える、神姫を一度読み込んでおけばカードを持ってこなくても使えるということ。 カード裏面の情報とは武装コストとボディサイズを指す。 フレンド機能について + 詳細、公式より ユーザー同士でフレンドになることが出来ます。 お互いがフォローし合うことで相互フレンドになります。 フォローすることでAIタッグバトルの協力マスターとして出やすくなります。 逆にブロックすることで協力マスターとして出なくすることができます。 検索機能ではフレンドになりたいマスターのIDを検索することでフォローすることが出来ます。 自分のマスターIDは検索機能の画面で確認することが出来ます。 解説 AIタッグバトルで自分のパートナーに誰が出るかをある程度調整できる機能。他の特典はない。 記載はないが、神友カード読み込みでもフレンド登録は可能。 またブロックしてもジェムバトルでマッチングしなくなるわけではない。 AIメインのプレイヤーには有用な機能である。 バトルについて + 詳細、公式より 移動中もジェム回収エリアを展開できるよう変更しました。 ※ダッシュ中、空中ダッシュ中は展開できません。 空中でダッシュ中以外は滞空できないように変更しました。 ※降下操作のジャンプボタン2回押しがなくなりましたのでご注意ください。 空中でのジェム回収エリアの展開を神姫中心に球形に変更しました。 ジェム回収エリアの拡大中は被ダメージが1.5倍になります。ご注意ください。 空中では被ダメージが1.5倍になります。ご注意ください。 攻撃をガードした際、本来のダメージが一定を超えるとのブースト消費量が徐々に増えるように変更しました。 より強い攻撃でガードブレイクを狙いやすくしております。 解説 ジェム回収と、ジェムバトルでよく見かけた飛行リア、 ガード関連が調整された。 歩きモーション中にも回収が出来るようになり、細かなジェムを拾いやすくなった。その一方で回収のリスクが上がったあと回収モーションが削除された。愛で専には下方である。 飛行リアは対空での回収が行いにくくなり、全体的にハイリスクハイリターンに調整された。 落下の操作は簡便になったが、アップデート前と大きく体系が異なるので注意。 ガード時のブースト量は有志によると1000ダメージ以上の攻撃を受けたときに増えるとのこと。 アクティブスキル「ガットテール」やリアパーツ「GA4チーグルアームパーツ アングルブレード[RW]」なら、ガードを割りつつ2段目を当てられることもある。 リア武装について + 詳細、公式より リア武装を大きく3つに性能分けしてバランス調整をしました。 「通常リアパーツ」:全体的にDEXとダッシュスピードを上方修正しました。 「RWリアパーツ」:攻撃撃破された際ジェムを排出しづらいよう上方修正しました、DEXと敵からジェムを多く出す性能を下方修正しました。 「飛行リアパーツ」:一部の武装のブーストゲージ回復量を上方修正しました、防御時のブースト消費量が多くなるよう下方修正しました。 数値的には大きな変化ではありませんが、デッキバリエーションが広がればと思います。 解説 特に飛行リアを使う際、ガードで耐久を行いにくくなった。 武装の重複について + 詳細、公式より シーズン1では重複した武装は自動で経験値へ変換されましたがシーズン2では重複はそのまま複数所持、個数に応じて限界突破に使用することが出来るようになりました。 既存の限界突破アイテムを使用しての限界突破も可能です。 ※武装を売却して武装強化アイテムに変えたい場合、武装カスタマイズ画面の「一括売却」ボタンから任意の個数・種類数を選んで売却してください。1種類の武装のみ売却する機能は一時的に廃止しております。 解説 武装を用いての限界突破には限界突破ネジと同じ数を要求されるので注意。 神姫固有パッシブスキルについて + 詳細、公式より 一部の神姫の固有パッシブスキルを変更いたしました。 「グライドオンプレステイル」【エウクランテ専用】ジャンプする際のブースト消費を抑える 「レイジオブオケアノス」【イーアネイラ専用】応援中一定の確率で神姫の攻撃力アップ 「全域カバー」【A / cute Dynamix社専用】応援中に一定の確率で瀕死状態になった神姫の能力アップ 解説 エウクランテは操作体系の変更に伴う変更。他は編成に条件の必要だったパッシブスキルが、条件を削除される代わりに確率発動となった。 恐らく編成の幅を広める施策だろう。 アクティブスキルについて + 詳細、公式より アクティブスキルを1つの武装で発動できるよう変更しました。 武器+武装での発動条件のスキルは武器のみで発動します。 複数の武装(防具)での発動条件のスキルはどれか1武装のみでも発動します。 + 発動条件変更に伴いダメージ系アクティブスキルを調整しております。 「後天爆裂」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「プレゼント・フォー・ユー!」の攻撃力を下方修正しました。 「スーパーツインカノン」の攻撃力を上方修正しました。 「収穫の季節」の攻撃力を上方修正しました。 「ダイヤモンドリーフ・ストーミング」の攻撃力を上方修正しました。 「bk.ダイヤモンドリーフ・ストーミング」の攻撃属性をスタンに変更しました。 「ノブレス ゲイル」の攻撃力を下方修正しました。 「バレットシャワー」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「特撃プログラムwk01」の攻撃力を上方修正しました。 「特撃プログラムwk01」リペイント版の攻撃属性をスタンに変更しました。 「ブーメランサイズ」の攻撃力を上方修正しました。 「ブーメランサイズ」リペイント版の攻撃属性をスタンに変更しました。 「パトロクロス」の攻撃力を下方修正しました。 「ヴィシュヴァ・ルーパー」の攻撃力を下方修正しました。 「ハイパーブラスト」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「ピアスドナイトメア」の攻撃力を上方修正しました。 「秘剣・真白拍子」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「グランニューレ」アーンヴァルMk.2 テンペスタ版の攻撃力を上方修正しました。 「快刀乱麻」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「プレゼント・フォー・ユー!」ツガル Blue Xmas ver.版の攻撃力を下方修正しました。 「ジャーヴァル・クルイク」ストラーフMk.2 ラヴィーナ版の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「快刀乱魔」の敵よりジェムを排出する値を下方修正しました。 「ライトニングソード」の攻撃力を上方修正しました。 「ダークネス・キラー」の攻撃力を上方修正しました。 「サイレントナイト」の効果を上方修正しました。 「花より団子♪」の中、大、特大の効果時間を下方修正しました。また効果中はブーストゲージが少し回復しにくくなります。 「攻撃力アップ」の小、中、大の効果時間を上方修正しました、小が一番効果時間が長くなっています。 「攻撃力ダウン」の小、中、大、特大の効果時間を上方修正しました、特大が一番効果時間が長くなっています。 「防御力アップ」の小、中、大の効果時間を上方修正しました、小が一番効果時間が長くなっています。 「防御力ダウン」の小、中、大、特大の効果時間を上方修正しました、特大が一番効果時間が長くなっています。 「攻撃スピードアップ」の効果時間を上方修正しました。 「全員攻撃スピードダウン」の小、中、大、特大の効果時間を下方修正しました。 「死出の旅路」の効果時間を下方修正しました。 「一定時間有効射程アップ」の小、中、大、特大の効果時間を上方修正しました、特大が一番効果時間が長くなっています。 「暗黒の風」の効果時間を上方修正しました。 「スピードアップ」の小、中、大、特大の効果時間を上方修正しました、特大が一番効果時間が長くなっています。 今回は歩きながらジェム回収ができるのでスピードアップが活躍するかも?! 解説 アセンの幅を大きく広める調整である。特に「スピリトーゾ」や突撃系が使いやすくなったのは大きい。 レイドバトルで見ると、「死出の旅路」の下方修正が痛い。「防御力ダウン」で代用しよう。 バトル報酬のコンテナについて + 詳細、公式より バトル後の成績に応じてもらえていたバトルご褒美のコンテナはシーズン2で20個固定となりました。 バトル中のコンテナ出現はなくなります。 負けても親密度が大きく上がるので負けるのを恐れずバトルをお楽しみください。 解説 お散歩でもコンテナを獲得できるようになっている。 また、ランク差に応じた補正も無くなった。 武器について + 詳細、公式より SMD2000、SMD-E、SMD3000の攻撃力を下げヒット数を上方修正しました。 解説 「スティールクロニクル」武装が上方された。 AIタッグバトルについて + 詳細、公式より カスタムしたAIと武装で神姫たちが戦います。 神姫を信じて応援してください。 勝利条件 2vs2で戦い相手チームのゲージを0にすると勝利します。 ブリーフィング 一緒に戦う神友マスターを選んで作戦を指示しよう 序盤、中盤、終盤で作戦を立てることができます。 作戦は自分の神姫チームに効果があります。神友チームの作戦には反映されません。 撃破とゲージについて ゲージの消費量は以下となります。 N:1 R:2 SR:3 UR:4 レアリティが高い神姫を撃破するとより多くのゲージを減らすことができます。 コミュニケーションタイム バトル中に神姫が通信してくることがあります。 一定時間内に神姫と通信して回答するとバトルが有利になるかも?! 熟練度 バトル中の神姫の行動によってバトル終了後熟練度が上がります。 神姫の行動はAIカスタマイズ、作戦で変えることができます。 熟練度で上がったステータスはAIバトル時のみ加算されます。 残りバトル回数について 熟練度は上がるバトル回数が決まっています。 バトル回数が終了した後もバトルで使用することは可能です。 バトルに参加しなかった神姫は回数が減りません。 後日熟練度をリセットする機能が追加される予定です。 神友マスターのデッキについて 神友マスターの選択に出てくる神姫デッキはそのマスターの 最終プレーのデッキが自動で登録されています。 名前の表示をしたくない人はオプション画面のプレーヤー情報の表示のマスターネームをオフにすることで非表示にすることが出来ます。 AIタッグバトルにおいてのDEXについて DEXが高い神姫は復帰までの時間が短くなります。 ダッグバトルですので味方の神姫が1体になる時間を少なくするためにDEXを気にしてみるのも良いかもしれません。 ※AIタッグバトルのチュートリアルもありますが、プレイ料金は他のバトルモードと同一になります。 ※チュートリアルバトルは神姫武装が固定になります。 ※チュートリアルの敵のサイフォスが強いのでご注意ください。 解説 詳細はAIタッグバトルを参照。 神姫・武装の購入について + 詳細、公式より 神姫ハウスにて神姫の購入、武装の購入を追加しました。 バトル後の神姫の購入は撤廃しました。 購入できる神姫、武装はランダムになります。 神姫の入手演出時はボディサイズの反映がされておりません。 神姫をお迎えする場合は神姫ハウスからお願いいたします。 また2/13のアップデートから武装60個購入時に読み込んだ神姫3体の中からランダムで抽選され、選ばれた神姫の純正装備6個がオマケに付くようになった(恐らくシーズン1のバトル中に拾うコンテナと同等の仕様) ※購入メニューについては、ピックアップや武器種、装備の部位別など今後種類を増やしていく予定です。 解説 ガチャを回しやすくなり、装備掘りでも時短できるようになった。 レクリエーションについて + 詳細、公式より 神姫ハウスメニューの「お散歩」ボタンを「レクリエーション」に変更しました。 レクリエーションのメニューは「一人でお散歩」「ダンスパフォーマンス」になります ダンスパフォーマンスは神姫ハウスの時間中は何回でも楽しむことができます。 ただし、ダンスパフォーマンス中もタイマーは減ります、 タイマーがなくなるとダンス装備でバトル開始となりますのでご注意ください。 解説 お散歩の他にBEMANIの曲で神姫を踊らせられる機能がついた。 愛で専には嬉しい追加。 リーグのリセットについて + 詳細、公式より シーズン1からシーズン2になったことで「リーグジェムバトル」のリーグのリセットを行います。 リセット前S以上はSスタート それ以外はCスタート E,Dの人はビギナーからスタートになります。 Cリーグ以上の昇格時のご褒美は撤廃し、バトル報酬や武装購入で所属リーグを問わず入手可能に変更しました。 リーグジェムバトルのマッチングにおける区分けに変更はございません。 Sリーグまではより昇格しやすく調整しました。 オプション設定について + 詳細、公式より お気に入り神姫を設定する機能を追加しました。 設定したお気に入り神姫はフレンド機能のアイコンとして設定されます。 所属地域を設定できる機能を追加しました。 デフォルトでは「流浪人」になっております。 フレンドリストに表示するメッセージを編集できる機能を追加しました。 解説 お気に入り神姫は編成にいない・未入手のものでも設定できる。 チュートリアルバトルについて + 詳細、公式より 新規プレーでのデジタル神姫5体プレゼントはなくなりました。 チュートリアルプレーでの武装35個→20個に変更しました。 AIバトルのチュートリアルはいつでもプレーできます。 二の腕に当たり判定をつけました。 解説 バトルに関しては影響ないが、一部モーションに干渉するようになった。要するにbodyがでかいと、モーション次第で腕にナニが物凄くあたる。
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「それでセンセ! おれはいつからカンナのガッコにいけるんだ? なあなあ?」 「いや、あたしの話聞きなさいよ・・・。大体、学校なんかに何しに行くって言うのよ?」 「カンナとあそぶ!」 「学校は勉強する所よ」 「じゃあカンナがよろこぶことおしえてもらう!」 「そういう場所でもないわよ普通・・・」 「いくんだ!いくんだ!!いくんだ♪ うおーん♪」 「・・・あーもう! そんなに言うならあたしが家庭教師やってあげるわよ! あなたには教えなきゃなんないこと山ほどありそうだしねぇ」 「がう? かていきょうしってえらいのか?」 「賃金高い分三倍は偉いわよ。あたしなら十倍ね。一般教養から設ける株取引、おばーちゃんの知恵袋に恋の駆け引きまで手とり足とり腰とり教えてあげるわ!」 「うわーい! センセありがとー♪ カンナといっしょー♪」 「絶対判ってないわね・・・。全く、人の気も知らずにいい笑顔向けてくれちゃって・・・可愛さ余って憎さ百倍って言葉今程かみ締めた事ないわ」 「かみしめるって、ソレうまいのか?」 「不味いわよ、すごく。もう・・まだ“昨日の後処理”が終わってないって言うのに・・・。こんな事してる間に、ボロ出なきゃいいけど」 繋章1 縁 何の変哲もない郊外、何の変哲もないマンション、何の変哲もないとある部屋の前。佇むのは、何の変哲も“ある”男。 「・・・じー。」 「・・いや奥さん、俺刑事ですから。ホラ手帳」 「・・・いやそれならいいんですけれどね。それにしても刑事には見えないわねぇ」 「余計なお世話!」 ・・・気を取り直して。男はインターホンを鳴らす。・・・無反応。 「ま、そりゃそうか。本人は今日自首してきたんだから」 挿入、開錠。 預かった鍵で扉を開く。奥に広がるのは、一人暮らしにありがちな乱雑。我が物顔で男は踏み込む。 ・・武装神姫の空パッケージ。箱は3つ。 ・・・PCに保存されたMMS改造コード。 ・・・・プリントアウトされた市内地図。 ・・・・・犯行予定と見られるメモ。日付は昨日。場所は“豊島家”。 ・・・・・・明らかに、部屋に不釣合いな高級貴金属。 「・・・聞いていた通りだな。」 その全てが、武装神姫による犯罪行為、そして連日世間を賑わせた窃盗犯を指し示す証拠品。“もし世間に露呈すれば確実に武装神姫の“心”を疑われる代物”。男は、刑事は証拠品を丁寧に整理し、立ち上がる。 「・・・さてと、後はこれを・・・」 「・・・どうやって処分するかだよな」 夕陽が射し込む。その男―松代鋏はその眩しさに背を向けて、呟いた。 「それにしても、ファナティックのアネさんも適当だよな。もし俺にこの事件回ってこなかったらどうするつもりだったんだよ」 全ては茶番。全ては喜劇。刑事にあるまじき刑事、松代鋏は既に職務より“友人の依頼”を優先して動いていた。アニー・“ザ・ファナティック”の『神姫が犯罪に悪用された痕跡を全て消せ』と言う依頼を。 「神姫関連の物は普通に処分で・・・この辺のデータは細工して単独の窃盗犯に見せかけ・・・。盗品は・・・まあ適当に横領しておくか(笑) 後は本人脅して口裏合わせるようにしておけば十分かな?いや一応根回ししておくか・・・」 調理法を口ずさみながら、鋏は手際よく作業をこなす。あっさりと出来上がる、“何処にでも居る軽犯罪者”の部屋。 「・・・にしても、女を改造して言う事聞かすなんて、俺には考えられないね。そんな手間あるんだったらさっさと口説けばいいんだよ」 最後に処分する物を詰めたダンボール一つを持って、部屋を立ち去る。 「・・・いい女との縁は、大切にしろよな」 ただ一つ、真剣に放った、その言葉だけ、残して。 目次へ